LEYENDA
Master Guitars of Manuel Cano Collection, Palacio de la Guitarra
演奏/北口功(ギター)
使用ギター/
マヌエル・ラミレス1905年製作 Manuel Ramirez, Madrid, 1905、
ドミンゴ・エステソ1923年製作 Domingo Esteso, Madrid, 1923、
サントス・エルナンデス1924年製作 Santos Hernandez, Madrid, 1924、
サントス・エルナンデス1930年製作 Santos Hernandez, Madrid, 1930、
マルセロ・バルベロ1936年製作 Marcelo Barbero, Madrid, 1936
録音/ギター文化館 (茨城)にて2009年12月14-15日
¥2,100
試聴のためのコントロールが埋め込まれています。お使いの設定によってはコントロールの読み込みをブロックしていますので、試聴をご希望の場合はブロックを解除してください。(試聴は各トラックの冒頭45秒です)
フェルナンド・ソル/第七幻想曲 Op.30
Fernando Sor
Septieme Fantaisie Op.30
使用楽器 Manuel Ramirez (Madrid, 1905)
[13:37]
イサーク・アルベニス/アストゥリアス
Isaac Albeniz
Asturias
使用楽器 Domingo Esteso (Madrid, 1923)
[6:26]
エイトール・ヴィラロボス/プレリュード第1番
Heitor Villa-Lobos
Prelude No.1
使用楽器 Santos Hernandez (Madrid, 1924)
[4:53]
アグスティン・バリオス/森に夢みる
Agustin Barrios
Un Sueno en la Floresta
使用楽器 Santos Hernandez (Madrid, 1930)
[7:36]
ヨハン・セバスティアン・バッハ/テンポ・ディ・ボレアとドゥーブル
(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番BWV1002より)
Johann Sebastian Bach
Tempo di Borea e Double, BWV1002
使用楽器 Marcelo Barbero (Madrid, 1936)
[6:20]
Total[38:57]
マヌエル・カーノ・コレクションとは
[ギター文化館代表(CD制作時)・木下明男氏より]
ギター文化館は、1990年1月に他界した、スペインの生んだコンサートフラメンコギターの巨匠マヌエル・カーノのコレクション18点を収めるために1992年に建設されました。
M・カーノは、生前、十八世紀のバロック・ギターなど珍しいギターを収集しており、なかでも、「私のレオナ」と名づけて愛用していたA・トーレスなど、ギターファンにとって一度は見てみたい貴重品です。
トーレスは、十九世紀に活躍したスペインのギター製作者です。それまでヨーロッパ各地でさまざまな発達を遂げていたギターの良いところをまとめて、現代のギターの原型を作り上げました。共鳴胴の内部にある仕切り板の置き方を変えたりして、ギターを少人数相手にした伴奏楽器の地位から、コンサート用の楽器に変身させました。今のギターの理想とされている、繊細で色彩感豊かで、心を締め付けるような甘さを秘めた響きを確立させました。ピアノの発達とともに、チェンバロやリュート、ギターなどそれまで主流だった楽器が廃れゆくなか、スペインのギターの伝統が残ったことに、トーレスギターの果たした役割は大きいといえます。
M・カーノは亡くなる直前、楽器店に勤めるM氏とコレクターのH氏に「自分のコレクションを日本で生かし保存を・・・」と夢を託しました。生前、M・カーノの日本公演を実現していた東京労音が没後記念になる事業を・・・の考えと合致しギター文化館の建設が実現しました。
M・カーノは「私のギターが、博物館などに弾かれない状態で飾られるのは嫌・・・」と、アメリカの博物館からの申し出を断っていました。カーノの思いを生かし、ギター文化館では、ギターの歴史が解る展示・ホールの併設で内外の一流ギタリストによる銘器を使用したコンサートの実現。また、館内にギター工房を作り総合的なギターの殿堂にし、世界のギターの名所にするのが夢です。
今年M・カーノ没後20周年に当たるこの年に、その夢の一つを実現できたことは、何よりも嬉しい事です。
PALACIO
Master Guitars of Manuel Cano Collection, Palacio de la Guitarra
演奏/北口功(ギター)
使用ギター/
アントニオ・デ・トーレス1882年製作 Antonio de Torres, Almeria, 1882、
ホセ・ラミレス(T世)1912年製作 Jose Ramirez, Madrid, 1912、
フリアン・ゴメス・ラミレス1931?年製作 Julian Gomez Ramirez, Paris, 1931?、
マヌエル・デ・ラ・チーカ1959年製作 Manuel de la Chica, Granada, 1959、
イグナシオ・フレタ・エ・イーホス1983年製作 Ignacio Fleta e hijos, Barcelona, 1983
録音/ギター文化館 (茨城)にて2009年12月14-15日
¥2,100
試聴のためのコントロールが埋め込まれています。お使いの設定によってはコントロールの読み込みをブロックしていますので、試聴をご希望の場合はブロックを解除してください。(試聴は各トラックの冒頭45秒です)
シューベルト/セレナーデ(メルツ編)
Franz Schubert
Staendchen(arr. J.K.Mertz)
使用楽器 Antonio de Torres (Almeria, 1882)
[3:57]
ほか
Total[40:54]
「北口功/ソル、ヴィラ=ロボスを弾く」
Isao Kitaguchi plays Sor & Villa-Lobos
演奏/北口功(ギター)
使用ギター/ロベール・ブーシェ
1956年製作No.42(Tracks1-5)・1966年製作No.110(Tracks7-18)
録音/あいれふホール(福岡)、諫早文化会館(長崎)にて1998年7・8月
¥3,000
フェルナンド・ソル/第2グランドソナタ
Fernando Sor/La 2me grande Sonate Op.25
Andante Largo(8'48") Allegro non troppo(5'25") Thema et var.1-5(6'38") Minuetto(3'25")
フェルナンド・ソル/悲歌風幻想曲
Fernando Sor/Fantaisie elegiaque Op.59
Introducton, Andante Largo(7'32") Marche funebre(7'07")
エイトール・ヴィラロボス/12の練習曲
Heitor Villa-Lobos/Douze Etudes pour Guitar
第1番(1'54")/第2番(1'30")/第3番(2'24")
第4番(3'27")/第5番(2'29")/第6番(1'20")/
第7番(3'41")/第8番(3'12")/第9番(2'57")/
第10番(2'04")/第11番(3'34")/第12番(2'17")
ロベール・ブーシェ Robert Bouchet1898-1986は20世紀を代表するギター製作家。音作りの前提に音楽の感動があり、音楽の感動の前提に人間の生きる姿がある、このことの意味を真正面から掘り下げて形にした天才。生い立ちについては、濱田滋郎氏の解説がある。
'56年作No.42 はギター製作を始めてわずか10年程であるにもかかわらず、スペインで開拓された製作上の神秘的とも言える意味づけの世界を完全に手中に収めており、この楽器の木という材質から音として引き出される力強さとぬくもりが、音楽にしかるべき骨格と豊かな表情をもたらす有様は、「調和」そのものが実現しているというほかない。No.110 は、演奏の世界的大家たちに使われることとなった時期の作品。敏感な反応によって、楽器が身体の一部となり、奏者とともに歌い踊る感覚へと誘う。
「すべてをありのままに」という製作意図のもと、各トラックはノーカットです。音質の加工もありません。特にお聴きいただきたいのは、ソルの作品の絶妙な和声と、ヴィラロボス作品のモダンな熱です。
ソルの和声はひとことでいうと「肥え過ぎず痩せ過ぎず」、絶妙というほかありません。同時代の鍵盤曲や弦楽四重奏に比べてやや少ない音符によって、弦がはじかれることの素朴で奥深い余韻の味わいを生かし、それでいて原則3声を保つことによって、安定感と信念に満ちた音楽展開を聴かせてくれます。ここで弾くブーシェギターの気高く引き締まった性格によって、私はソルの音楽の豊かさを再発見させてもらいました。
「12の練習曲」はヴィラロボスの壮年期の傑作であり、20世紀のギター音楽の代表作のひとつといえます。調という枠組みから自由になるために作曲家たち(たとえばドビュッシー、ストラビンスキー、バルトーク、ファリャなど)は、19世紀の末ころから民族的な音組織に強く関心の目を向けます。ヴィラロボスは、こうしたアカデミックな視点からブラジルで普通に弾かれるギターを見つめ直し、知情意のバランスの取れた壮大な作品に仕上げてくれたのだと思います。ブラジルから自作を紹介するためにヨーロッパに渡ったヴィラロボスがパリで熱く書き上げたこの作品を、私はパリの下宿で毎朝がむしゃらに練習しておりました。ブーシェギターというパリが生んだ名器で弾かせていただいたこの録音は、私にとって全身全霊音楽となることへの貴重な挑戦、そして作曲・演奏・楽器製作の三位一体をうかがい知る幸福な体験となりました。